心療内科医笹田信五カウンセリングルーム

失業中  


  日本経済の不況を反映して、私の個人指導にも、就職のことで来られる人が少なくありません。目先の対策では解決できないことは確かです。どのようにすれば良いのでしょうか。

  Kさんは42歳の男性です。

  「就職口がなくて困っています。いろいろと就職口を探しているのですが、どれも駄目です。不安で仕方がありません」

  「しかし、今のように不安では、面接に行っても、採用する方はあなたの不安が目につきますよ。仕事がないから不安になる。不安になるからますます就職できない、という悪循環に陥っておられるようです。それではうまくいかないのは当然ではありませんか」

  「ええ。ではどうすれば良いのですか」
  「不安の解決法が間違っているのではないですか」
  「どういうことかわかりません」

  「あなたの問題の根本は、不安の解決を人の評価に求めて来たことにあるのではないでしょうか。他人の山ばかり登って来たのではないでしょうか。

  人の評価が自分の価値というのであれば、失業は全く評価がなくなることです。ますます、自信がなくなり、不安になるのではありませんか」

  「他人の山と言われれば、そのとおりだと思います」

  「地位や名誉やお金や権力など、安心を得る方法はいろいろありますが、それらはいくらかき集めても、本当の安心にはなりません。不安の根本的な解決は、自分の山を登ることです。

  自分の山さえ登れば、生きている感動や喜びが高まります。エネルギーがでてきます。

  さらに、自分の山を登る生き方は、個性的、独創的になることですから、結果として必ず良い仕事も得られるのではありませんか」

  「今まで考えたこともありませんでした。仕事さえあれば安心できる、そればかり考えていました。気持ちが少し楽になって来ました。自分の山を登ってみたくなりました」

  Kさんのような方は少なくないと思います。無用な苦しみでエネルギーを失うことはやめて、生かされてる医学の5つの発見で、自分の山を登っていただきたいと思います。

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