新型ストレス
新型ストレスによる自滅のシナリオの回避のために ー


◆特徴 現代人の正常心理を蝕んでいく新型のストレス。放置していれば悪化するだけなので、極めて難しいストレス。
第1の自分 (自分を生きたい自分、犬になれない自分)
第2の自分 (社会適応しようとする自分)
第3の自分 (第1の自分と第2の自分が葛藤して、不安と不満と傷つく自分、諦めの自分)
◆原因 WO
W(自由気ままに生きたい自分)と、O(ご飯のために社会適応する自分)との葛藤
WN
W(自由気ままに生きたい自分)と、N(愛や評価を貰うために良い子になる自分)との葛藤
KO
K(人に自分の存在価値を認めさせようとする自分、ブライドの自分)と、O(ご飯のために社会適応する自分)
との葛藤
KN
K(人に自分の存在価値を認めさせようとする自分、ブライドの自分)とN(愛や評価を貰うために良い子になる自分)との葛藤
その他
◆症状 1.延々と持続する葛藤
2.葛藤のために判断ができず、常にあいまいな生き方
3.葛藤のために充実感が低下し、常に疲労感がある
4.やがては無気力、無感動に陥る


現代の状況の中で考えられる、新型ストレスへの3つの対応
1.社会適応を優先する(犬になる生き方)

  極端に言えば、自分を一切捨てて、社会適応に徹する生き方で、犬になる生き方です。今の日本で、これに徹することができれば大成功するでしょう。貧しい時代は、誰もが、この生き方をしてきました。

  しかし、他人の山を登っただけの人生になり、死のベッドの上で、人生を振り返った時に、悔いが残るでしょう。第一、自分を捨てることは容易ではありません。しようとすれば、かえって葛藤を強めるだけになり自滅するでしょう。


  それができるのなら、すでにしているはずであり、現実としては、自我に目覚めた現代人にはできるはずのない生き方であり、選択肢にはなり得ないでしょう。
2.矛盾する葛藤のままで人生を送る(ぐずぐず人生)

  「犬にはなれません。私は自分を生きたい」と言ってみても、自分を生きることは、皆と一緒の人生にさようならをすることですから、孤立と孤独が来ます。さらに、自分独自でご飯を得るような能力は身についていません。餓死が待っています。

  「怖くて、やはり、自分を生きることに踏み出せない。」、「しかし、犬にはなれない。」、「しかし、怖くて踏み出せない。」、この葛藤で、ぐずぐずと言い続ける人生です。多くの人は、この状態で人生を過ごすことになるのでしょう。しかし、この生き方では、慢性的な疲労感と無気力、無感動が進行していきます。
3.自分を生きる(自滅の人生)

  ぐずぐず人生で、懸命に、自分を押さえて生きていても、自滅を避けるだけの人生とは何かという気持ちが出てくれば、やはり続けることはできなくなるでしょう。だからと言って、「自分を生きる」は、確実に自滅の道を行くことになります。

  「犬にはならない、葛藤でぐずぐず言って暮らす人生も嫌だ、私は自分を生きます」と、自分を生きることを選択したとしても、社会から見れば、単に、我がままでしかありません。自分のプライドや自分の我がままを振り回すだけです。自分を生きるということは、一見、良いように言われていますが、これは、間違っています。


 上記のように現代の状況の中で考えられる、新型ストレスへの3つの対応を見ていただければわかるように、新型ストレスは、どのようにしても、どんなにあがいても、上の3つの生き方のいずれかになり、解決の方法がありません。

 新型ストレスについては、ほとんどの方は、漠然とは感じているかも知れませんが、はっきりと、その実態と恐ろしさは知りません。新型ストレスが、どれだけ深刻なものか、多くの人を見れば見るほど、深刻さを思い知らされます。

  「特効薬はない」、これが難しい理由です。もうひとつの難しさは、「従来の治療法をすれば、悪化する」ということです。

  新型ストレスは、「社会適応しようとする自分」と「自分を生きたい自分」との葛藤ですが、本当は、両方とも満たしたいのです。両方とも満たすことができれば、問題がないのです。「どっちも欲しいさん」なのです。どっちも犠牲にしたくないのです。しかし、それらは、たがいに矛盾するものであるため、両方を満たす方法はありません。

  また、従来型の解決方法は、「わがままを言わない。素直になりなさい。強くたくましくなりなさい。」というものですが、これらは、自分を抑えなさいということであり、葛藤が強まるだけであり、症状は悪化します。

  新型ストレスによる自滅を避けるためには、やはり、「社会適応しようとする自分」と「自分を生きたい自分」の両方の折り合いをつけるしかありません。

  社会適応のために、自分を押さえすぎても自滅します。しかし、自分を生きたいと言って、自分を振り回せば、確実に自滅します。自分を押さえすぎないように、かと言って、自分を振り回さないように、折り合いをつけなければなりません。 しかし、折り合いをつけると言っても、「社会適応しようとする自分」と「自分を生きたい自分」は、全く逆のものなので、折り合いなどつけれるはずはありません。だからこそ、新型ストレスなのです。

  今までの社会は、物の時代であり、ご飯が食べられれば、自分も家族も社会も幸せになれたという時代です。新型ストレスは、豊かになって、自我が大きく育ったことから起こってきているストレスです。今までにないストレスです。今までの方法では対処できなくて、個人も社会も当惑し苦しんでいる状態です。少し、学んでなんとかなるようなものではありません。新しい人生を生きる能力を育てるという問題です。

 もう少し詳しく言いますと、新型ストレスは、人間が、本能から、自我に目覚めたことにより起こるものです。

 貧しい時代は、ご飯が人生の目的ですから、自我は抑えられていました。しかし、豊かな時代になれば、自我は大きく肥大してきます。一方、すべての生産をロボットがしてくれる時代にはまだなっていないので、やはり、社会適応して、ご飯を得なければ生きていけません。さらに、貧しい時代は、村や家族といった社会共同体のなかで、自分の存在価値を獲得できました。また、神への信仰があれば、神によって自分の存在を確認できました。

 しかし、豊かな時代になるとともに、共同体は存在価値を失って崩壊し、神は否定されました。肥大した自我は、自分で、自分の存在価値を獲得し証明しなければならなくなりました。時代は、資本主義という競争社会です。競争に打ち勝たない限り、自分の存在価値は証明できません。常に勝ち続ける、成功し続けることは不可能なことです。拡大肥大した自我は、自信のない自我になり、傷つきやすく、プライドばかりが肥大します。

 西洋文明は、自我の拡大完成を目指します。この文明では、新型ストレスは、解決できないのです。東洋文明では、自我が抑えられ薄弱ですから、新型ストレスを理解することすらできないでしょう。

人類は、どうすることもできないままに、新型ストレスによる疲労感と無気力、無感動に飲み込まれて滅びていこうとしています。この新型ストレスの根本療法が、生かされてる医学です。