性格分析の読み方

◎性格は作られるもの

人間の心を5つに分けて見ていきます。親の部分が2つ、子供の部分が2つ、そして合理性の5つです。

A(きびしい親)
B(やさしい親)
D(自由気ままな子供)
E(他人の評価を気にする子供)
C(合理性)

性格は作られるものであることをまず理解してください。E(他人の評価を気にする子供)は、本来は自己防衛です。D(自由気ままな子供)は、欲求満足本能です。人間も生物ですから、この二つの本能がないと生きていけません。

ですから、赤ちゃんのときは、文字通りE(自己防衛本能)と、D(欲求充足本能)だけです。この二つの本能を満たすために、つまり安心と満足を与えるために、両親は付きっ切りで面倒をみます。

大きくなるということはC(合理性)が発達してきて、A(きびしい親)やB(優しい親)を身に付け、社会の中で生きていく能力を身につけるということです。親の部分というのは社会性ということですから、社会性を身に付けるのが成長のプロセスだといえます。

こんなにも人間の数が増え、圧倒的な力を持つと、人間も動物の一種であるということを忘れてしまいますが、動物として見れば、人間は非常に弱い動物です。

わが家のタラちゃん(シャム猫)でも鋭い爪をもっています。オードリー(ピレネーズ犬)は大きな牙をもっています。鋭い爪も牙もない、走るのも木登りもた いしてうまくない人間は、集団生活をしない限り、自分の身を守ることも、楽しむこともできません。つまり社会の中で欲しい物や欲望を充足し、自分の身を守 らねばならない。もう親が面倒をみてくれませんので、社会の中で自分でそれらを獲得しなくてはならないのです。

だから、A(きびしい親)、B(優しい親)、C(合理性)がうまく成長しなければ、社会不適合が起こってくる、生きていくことが困難になってくるということになります。

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◎自動車にたとえれば

人間は、ものではありません。人間を物質と見ることは、大変な錯覚に陥ることになります。20世紀の最大の汚点だと思いますので、人間をものにたとえることは厳に謹みたいと思いますが、分かりやすくするために、あえて自動車にたとえますと、D(自由気ままな子供)はアクセルで、E(人の評価を気にする子供)はブレーキです。A(きびしい親)は交通規則であり、B(優しい親)は譲り合う気持ちです。C(合理性)は冷静さ、充実感がガソリンということになります。

ただ、これだけでは自動車は走ることができません。運転手がいります。その運転手をFと呼んでいます。F(本当の自分)です。

アクセル(自由気ままな子供)だけでは自動車は暴走するだけです。ブレーキ(人の評価を気にする子供)だけでは自動車は止まったままです。しかし、 アクセルとブレーキをうまく使ったとしても、それだけでは街の中を走れません。交通規則(きびしい親)を守らなければいたるところで衝突し、交通事故が起 こります。

また、ルールだけでは、自己主張の摩擦が多くギスギスとして、うまく車が流れず渋滞が起こります。譲り合う心、思いやり(優しい親)が必要です。さらに、 冷静(合理性)でなければ、判断を誤り事故につながります。最後に、ガソリン(充実感)がなければ、自動車はただの箱で動けません。

どの程度の早さで、どの程度の混雑の中を運転できるかは、A(きびしい親)、B(優しい親)、C(合理性)がうまく働いて初めて可能になります。社会性と 合理性があって初めて、社会の中で自分を実現(自由気ままな子供)でき、自分を守る(気にする子供)ことができます。もし、子供の部分だけだったとしたら どうなるでしょうか?

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次に、A B C Eの各について説明していきます。


◎A(きびしい親)

まずA(きびしい親)の部分です。子供や部下に向かってきびしいく教育する部分です。規則を守ることを教えたり、躾をしなくては、子供は社会人にはなれま せん。部下にも仕事の仕方やお客さんに対する対応を教育しなければなりません。自分自身にとっても、自分の意見をはっきり言うこと、嫌なことはノーと拒否 できることは必要です。

この部分が低い人は、子供や部下を教育できません。自分を主張することもできなくなります。
しかし、長所は欠点であり、欠点は長所ですから、この部分が強すぎると子供や部下をつぶしてしまうかもしれません。

相手の欠点ばかりが目に入り攻撃的になったり、相手の話を聞かず自分の意見ばかりを通そうとするようになったり、批評精神があるのは良いのですが、否定的な発言ばかりで相手を困らせ、人間関係がギスギスしたものになります。

この傾向は、人間に対してだけではなく、見るもの聞くものすべてにたいしてです。建物を見ても、色々なプロジェクトを見ても、同じ傾向がでます。

また、A(きびしい親)は自然のルールを教えるたり、守らせる役割もあります。炎のなかに手を入れれば火傷をする。池に落ちれば溺死する。その他、ライフ・スタイルが乱れれば病気になる。そのようなことにならないようにきびしく指導しなくては、子供の命は守れません。



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◎B(やさしい親)

B(優しい親)は、まさに優しい親の部分です。包容力です。子供や部下のためになることなら、自分のことは後にして、何でもしてあげようという気持ちになります。相手を批判する気持ちや自分が犠牲になっているというような感じはなど全くありません。

何かをしてあげることが、楽しくて、喜びなのです。このB(優しい親)がなければ、子供や部下は育ちません。きびしさも必要ですが、優しさがなければ人は育つことができません。
また、相手と共にいることが楽しいので、この部分が高い人は社交的です。人間関係が暖かいものになります。

ただ、欠点ももちろんあります。この部分が強すぎると、溺愛になります。きびしさがないので、甘やかされるだけとなり、子供や部下は社会人として自立できません。



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◎C(合理性)

それからC(合理性)は、合理的に論理的に物を判断していく部分です。こうして今皆さんが本を読んでいるのは、C(合理性)で読んでいます。 この部分が低いと感情に流されてしまいます。

しかし、逆に強すぎるすと、クールになりすぎます。何でも合理的な判断で片付けることになり、人間性が感じられなくなってしまいます。


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◎D(自由気ままな子供)

D(自由気ままな子供)は、食べたいから食べる、遊びたいから遊ぶ、眠りたいから眠るという本能にちかいことから、人生を楽しむ、仕事も楽しむ、言いたいことを言うなど、大人になっても生き生きとしている自由気ままな子供の部分です。

どんどん積極的に行動ができます。過去の風習や世間の評価などに気になりません。楽しいことが良いのです。前に進むことが楽しいのです。

しかし、度が過ぎますと、周りの迷惑を考えない、単なる我がままです。いろいろなことを考えて行動できないので、単なる暴走になります。


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◎E(自己防衛本能)

最後は、E(人の評価を気にする子供)です。これは人の評価を気にする子供の部分です。B(優しい親)が相手のために気を使うのに対して、Eは自分のために気を使う部分です。

常によい評価を得ようとしていますので、人の目が気になる、人の評価が気になります。「あの人はどう思っているのだろうか? どう思っただろうか?」、ということが非常に気になる部分です。

だから、あまりE(人の評価を気にする子供)が強すぎますと、人の評価ばかり気にして、自分のしたいこともできず、言いたいことも言えません。

しかし、Eがないと、Eの高い人の気持ちが分かりません。人からは嫌われて人間関係がうまくいきません。「あまりお付き合いしたくない」と周りから思われることになります。

また、人の評価が気になるだけに、「今のままの自分で良いのだろうか?」と自己反省したり、人の意見に耳を傾けることができるので、人間の成長には必要な部分です。



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