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タイトル「<大震災3年>娘奪った海眺め 78歳岸壁に立つのが日課に」を読んで}
記事No50
投稿日: 2014/03/07(Fri) 10:43
投稿者sasada
何気なく、ニュースを見ていて、とっても悲しい思いがしましたので、掲載しました。

私の意見は、この記事の最後に書いておきます。


毎日新聞 3月7日(金)8時30分配信

<大震災3年>娘奪った海眺め 78歳岸壁に立つのが日課に


新品の漁船が並ぶ白浜漁港を歩く佐々木さん。「工事も続いているし、復興はまだまだだべ」=岩手県釜石市箱崎町の白浜漁港で、黒田阿紗子撮影


 復旧工事が続く岸壁に、船外機付きの新品の小型船が20隻ほど、きれいに並んで浮かんでいた。元漁師の佐々木菊松さん(78)の船は、もうない。それでも、朝、夕と足を運び、海を眺めている。「何をするでもないんだが。暇つぶしかなあ」

 岩手県釜石市の箱崎半島の先端にある白浜漁港。一人娘の智也子(ちやこ)さん(当時44歳)をのみこんだ津波は、愛船「新宝丸」もさらっていった。新調には約170万円かかる。国などから補助も受けられるが、「後継者はいないし、何より娘がいない。船を持っても仕方ない」とあきらめた。

 智也子さんはスーパーの店長だった。逃げ遅れた従業員を助けようと店に引き返し、犠牲になったらしい。2011年5月、私が避難所で初めて佐々木さんと妻鈴子さん(71)に会ってまもなく、遺体が見つかった。智也子さんは「父さんと母さんの面倒は私が見る」と独身を貫いていた。そのお返しということだろうか。葬儀の日、佐々木さんは言った。「これからは仏さん(娘の遺骨)を守るために生きていく」

    ◇

 漁師ばかりの白浜地区で生まれた佐々木さんは、20歳になると当たり前のように漁に出た。北海道・釧路のサケ、マス漁など、20代は大きな船で遠洋漁業に出た。30歳で結婚すると、地元を漁場にウニ、アワビ、ワカメの養殖で生計を立てた。

 先月、2年ぶりに会った佐々木さんは一緒に漁港を歩きながら、「本当なら今ごろ、3月中旬から始まるワカメ漁に向けて間引き作業をやってたな」とぽつりと言った。漁に未練がありそうで、胸の内を聞くと、しばらく黙った後、目を伏せた。

 「母ちゃんが『智也子があんなことになった海に、もう行かないで』って言ったんだ」

 震災から半年もたたないころ、漁協から「持ち主が死亡した船を希望者に安く貸し出す」と聞き、悩んだ。そんな時、鈴子さんから懇願されたという。「確かに、もう年だ」と自分でも納得した。

 親戚の手伝いで時々は海に出ることもあるが、自分の船でないと張り合いがない。「何もやる気が出ない。でも、自分だけじゃないから」。震災後、漁協の組合員のうち3割以上が離職した。ほとんどが船をなくした高齢者だった。

 朝起きると必ず仏壇にお茶を供える。そして考える。「何で親より先に逝ったかなあ」

    ◇

 自宅の居間に手のひら大の鉄製の器具が飾ってあった。若い頃、ウニの大きさを測るのに使ったという。手に取り思い出を語った。

 ウニ漁ではな、舟の上から海ん中さのぞき、ゆっくり獲物に近づくんだ。「前、前」。かいをこぐ母ちゃんに声さ掛ける。毎年変わる漁場を探しあてんのは、そりゃ長年のカンよ。

 鈴子さんが横で時々相づちを打った。佐々木さんは少し興奮してきたようだった。「釜石のウニは日本一」。うれしそうに繰り返した。【黒田阿紗子】


私の意見は、2つあります。

一つは、死は、Yuの世界の出来事です。

人間を作ったのは、人間ではありません。人間を作ったのは、Yuですから、「なぜ、死があるのか。むごいではないか。不条理ではないか。」と問うのは、Yuの世界の中で、Yuに向かってでなければなりません。

死は、最大の悲しみです。最大の問題です。そして、誰でも、死は確実に訪れます。

早く、Yuの世界を学んでいただきたいと思います。

Yuを学び、Yuを知ったからといって、死という現実が変わることはありません。

しかし、Yuを知れば、見える風景画が全く違ってきます。死というものが、違って見えてきます。

もう一つの私の意見です。

私たちは、本能から自我に目覚めたため、本能の力は弱いものです。

人間の本能では、衣食住と身の安全を得ることはできません。そのために、人間は、社会を営んでいます。

社会は、人間とって、絶対に必要なものであり、私たちは、人間の社会を良くしていかなくてはなりません。

しかし、人間は、その社会を、支配する者と支配される者、比較と競争の場にしています。それは、人間にとって、自滅のシナリオです。

戦争をしたり、比較や競争をするのではなく、良い社会にしなければ、人間は自滅します。

地震や津波などで、潰れるような家や町を作ってはならないのです。

産業革命に成功して、私たちは、分かち合えば、全世界の人が、安全で豊かな生活ができるところまできました。

なのに、このような悲劇が起こることが、言葉で言えないほど悲しいですね。

この死は、人間がまねいた悲劇です。