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タイトル自分の存在価値を認めさせたい人
記事No30
投稿日: 2014/01/27(Mon) 21:59
投稿者sasada
自分の存在価値を、認めさせたい人がいます。Kと呼んでいます。

Kのたどる道は、悲惨です。

人と同じであっては、認めさせることはできません。

人に自分の価値を認めさせるということは、人に勝とうとすることです。人を打ち負かそうとすることです。

圧倒的な実力がある場合は、相手も楽しくはありませんが認めざるを得ません。

しかし、実力を持ち続けるためには、常に成功し続けなければなりません。常に勝ち続けなければなりません。それは、不可能です。

それでもがんばるしかありません。疲れ果ててもやめることはできません。過労死やうつ病になるまで止れません。

一方では、実力がない人もいます。実力がなくても、打ち負かさなくてはならないのです。うち負かさないかぎり、自分の存在価値を否定されたように感じるのです。自分が生きていると感じられないのです。

揚げ足を取ったり、皮肉を言ったり、小さなことでも攻撃の材料にしなくてはなりません。

そんなことで、打ち負かされるほうは、極めて不愉快です。誰も一緒にいたいとは思いません。嫌われ者になります。

嫌われても、打ち負かすことを止めることはできません。だんだんと、独りぼっちになり、自滅のシナリオに飲み込まれていきます。

自分のことしか考えられない人の中でも、Kは、最も嫌な人です。そして、Kは、現代人の特徴です。

本能から自我に目覚めた現代人は、衣食住と身の安全を、自分で得なくてはならなくなったのですが、自分の存在価値も、自分で得なくてはならなくなったのです。

豊かな社会になれば、衣食住と身の安全は、比較的得やすくなるのですが、自分の存在価値は、かえって得にくくなります。

貧しい時代では、食べることが最優先ですから、自分の存在価値など、どうでも良いという状況があります。また、自我も、貧しさのために、大きく育ってはいません。

豊かな時代になり、大きく育った自我は、傷つくこと、否定されること、無視されることが、最も辛い苦痛になります。

Kと、Kの苦痛は、現代人の特徴なのです。