タイトル | : 自分の存在価値を認めさせたい人 |
投稿日 | : 2011/12/29(Thu) 23:17 |
投稿者 | : sasada |
自分の存在価値を、認めさせたい人がいます。Kと呼んでいます。
Kのたどる道は、悲惨です。
人と同じであっては、認めさせることはできません。
人に自分の価値を認めさせるということは、人に勝とうとすることです。人を打ち負かそうとすることです。
圧倒的な実力がある場合は、相手も楽しくはありませんが認めざるを得ません。
しかし、実力を持ち続けるためには、常に成功し続けなければなりません。常に勝ち続けなければなりません。それは、不可能です。
それでもがんばるしかありません。疲れ果ててもやめることはできません。過労死やうつ病になるまで止れません。
一方では、実力がない人もいます。実力がなくても、打ち負かさなくてはならないのです。うち負かさないかぎり、自分の存在価値を否定されたように感じるのです。自分が生きていると感じられないのです。
揚げ足を取ったり、皮肉を言ったり、小さなことでも攻撃の材料にしなくてはなりません。
そんなことで、打ち負かされるほうは、極めて不愉快です。誰も一緒にいたいとは思いません。嫌われ者になります。
嫌われても、打ち負かすことを止めることはできません。だんだんと、独りぼっちになり、自滅のシナリオに飲み込まれていきます。
自分のことしか考えられない人の中でも、Kは、最も嫌な人です。そして、Kは、現代人の特徴です。
本能から自我に目覚めた現代人は、衣食住と身の安全を、自分で得なくてはならなくなったのですが、自分の存在価値も、自分で得なくてはならなくなったのです。
豊かな社会になれば、衣食住と身の安全は、比較的得やすくなるのですが、自分の存在価値は、かえって得にくくなります。
貧しい時代では、食べることが最優先ですから、自分の存在価値など、どうでも良いという状況があります。また、自我も、貧しさのために、大きく育ってはいません。
豊かな時代になり、大きく育った自我は、傷つくこと、否定されること、無視されることが、最も辛い苦痛になります。
Kと、Kの苦痛は、現代人の特徴なのです。