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タイトル「生かされてる医学」でなければならない理由
記事No98
投稿日: 2011/05/07(Sat) 23:18
投稿者sasada
  新しい心身医学は、大学や病院の医学ではなくて、「生かされてる医学」でなければならない理由は、ストレスを解決するためにも、「本当の自分」を生きるためにも、まず「世間体」からの自由が必要だからです。

  心の問題だけではなく、身体の問題もストレスの問題です。ストレスが自律神経系、内分泌ホルモン系、免疫系をかき乱し、心身相関を悪化させます。一方、ストレス発散のために過食・お酒・タバコが必要になり、生活習慣が乱れます。この両者の結果が、肥満や自律神経失調症、生活習慣病です。ということで、健康医学はまず第一にストレスを解決する医学でなければならないのです。

  では次に、ストレスの解決法です。ストレスの原因は、簡単ではありません。人さまざまです。幼少の頃からの親の価値観の影響、自分自身の経験、社会の状況など、いろいろなものが影響し合い、混線し、性格を形作っています。その性格が人間関係の葛藤や生き方の不安定さを増長しています。

  「生かされてる医学」では、それを自滅のシナリオと呼んでいます。「人は自滅のシナリオどおりに行動し、自滅する」、それが多くの人を指導してきた私の極めて強い印象です。

 しかし、このような話は、一言ではとうていできません。関心のある方は「生かされてる医学」を十分勉強していただきたいのですが、ごくごく簡単に言えば、ストレスの原因の多くは「世間体」です。「世間体」に縛られていることから起こることです。ストレスの解決とは、第一には「世間体」からの解放です。

 では、具体的にはどうすれば良いのでしょうか。「世間体」とは、「世間の評価で自分の価値を決めること」ですが、そこからどうすれば自由になれるのでしょうか。カウンセリングだけでは自由になれません。安定剤では何の解決にもなりません。旅に出ても家に帰ってくれば元の木阿弥です。世間で生きているのですから、「世間体」から自由になるのは無理なことです。

  そこで、「医学的に見て、自分で生きているのか、生かされてるのか、どちらですか」という質問です。それを宗教や道徳ではなくて純粋に医学的に考えて欲しいのです。

  簡単に言えば、私たちは75兆個の細胞で生きています。1個といえど自分で増やした覚えはありません。心臓は1日に10万回動いています。1回といえど自分で動かして生きた人はいません。太陽、酸素、水、すべて自分で作ってはいません。生かされてるのは単純な医学的に事実です。

  私たちは、大きな生命の世界の中で生かされています。感謝もしないのに、立派な人間でもないのに一方的に生かされています。事実として、この世界を理解していくことによって、社会は衣食住を得るためのシステムであり、私の価値を決めるものではないことが分かります。そして、初めて「世間体」からの自由を得られます。この事実を最も大切なものと考え、「生かされてる医学」と命名したのです。

  ということで、「世間体」からの自由を得るためには、「生かされてる医学」が必要です。「生かされてる医学」の目的は、「本当の自分」を生きることです。「世間体」からの自由は、第一歩であり出発にすぎません。しかし、「世間体」からの自由も得られなければ第一歩にもなりません。不安や不満で人生が終わります。これが、「生かされてる医学」でなければならない理由です。