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タイトル突然の訃報
記事No100
投稿日: 2011/05/08(Sun) 08:45
投稿者sasada
  突然訃報の葉書をいただきました。Sさんは、ある出版会社の重役をされていましたが、モーレツ社員でついに8年前に重症の喘息の発作で倒れられ、それが道場に来るきっかけでした。

 その後すこぶる元気になられ、「生かされてる医学」の会員にもなられました。会にも熱心に参加され、「生かされてる医学」にも共鳴されていました。

  それが突然の訃報です。私が生涯忘れられない悔いの残る人々のお一人になられてしまいました。残念なのはSさんの「自滅のシナリオ」を完全に明らかにして解除できなかったことです。

  Sさんの性格分析のグラフは、「行け行けさん」でした。しかし、これは「仮面さん」です。本当はE(他人の評価を気にする子供)が高い方で、そして、A(きびしい親)も高い方です。つまり、「バラバラさん」です。

  「バラバラさん」が、「立派でなければならない」、「強くたくましくあらねばならない」という価値観をおそらくお父さんかお母さんから受け取られたのだろうと思います。

  そして、確かに立派にはなられましたが、それは性格を変えるということですから非常に無理をした生き方です。ストレスがたまります。そして、喘息発作に至ったのでしょう。

  その後、仕事では無理をされなくなりましたというよりも、無理ができないポジションになられたようです。ただ、それで楽な生き方になったかというとそれほど簡単ではありません。心の中の上昇志向は解除されていません。今度は、健康の方に「行け行けさん」になられました。治療医学ではなく、自然療法に関心を持たれ「薬を使用しないことが良いことだ」という考えに傾いて行かれました。

  最近はだいぶ調子が良かったのでしょう、あまり連絡がありませんでした。私も身体の方は気にしていませんでした。それだけに悔いが残ります。

  苦しいときの「自滅のシナリオ」は分かりやすいのです。難しいのは元気になったときの「自滅のシナリオ」です。

  元気になれば、無意識にまた前の価値観を生きようとします。元気になったときこそ、一層「生かされてる医学」のトレーニングをすべきなのですが、やはり昔の価値観の方が馴染んでいますので、いついつまた頑張ろうとします。そして、元気になったものですから、カウンセリングを受けようという気持ちも忘れています。元気になったときの「自滅のシナリオ」こそ、本当の「自滅のシナリオ」なのです。

  今私は、再度徹底して各人の「自滅のシナリオ」を明らかにしなくてはならないとの思いを強くしています。多少嫌われても、それをしない限り「人は、自滅のシナリオどおりに行動し、自滅します」。なんとしても「自滅のシナリオ」を徹底して明らかにして、それを解除する方向に進まなければならないと思います。

  皆さんも、決して悔いの残る人々のなかの1人にならないようにお願いいたします。