講義集
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タイトル 新型ストレスとは
投稿日: 2017/09/11(Mon) 14:09
投稿者sasada

特徴は、現代人の正常心理を蝕んでいく新型のストレスです。

原因は、現代人は、物質的な豊かさと比較的自由な社会になったために、自我が大きくなっています。一方では、社会適応しなければ生きていけません。そのために起こっている葛藤が原因のストレスです。放置していれば悪化するだけなので、極めて難しいストレスです。

1. 自分を生きたい自分、犬になれない自分を、「第1の自分」と呼んでいます。

2. 社会適応しようとする自分を、「第2の自分」と呼んでいます。

3. 「第1の自分」と「第2の自分」の葛藤が、延々と続き、不満と不安、傷つき自分になり、最終的に、諦めの自分に陥いります。これを「第3の自分」と呼んでいます。


◆症状
1.延々と持続する葛藤
2.葛藤のために判断ができず、常にあいまいな生き方
3.葛藤のために充実感が低下し、常に疲労感がある
4.やがては無気力、無感動に陥る


◆新型ストレスへの対応

1.社会適応を優先する(犬になる生き方)

  極端に言えば、自分を一切捨てて、社会適応に徹する生き方で、犬になる生き方です。今の日本で、これに徹することができれば大成功するでしょう。貧しい時代は、誰もが、この生き方をしてきました。

  しかし、他人の山を登っただけの人生になり、死のベッドの上で、人生を振り返った時に、悔いが残るでしょう。第一、自分を捨てることは容易ではありません。しようとすれば、かえって葛藤を強めるだけになり自滅するでしょう。

  それができるのなら、すでにしているはずであり、現実としては、自我に目覚めた現代人にはできるはずのない生き方であり、選択肢にはなり得ないでしょう。


2.矛盾する葛藤のままで人生を送る(ぐずぐず人生)

  「犬にはなれません。私は自分を生きたい」と言ってみても、自分を生きることは、皆と一緒の人生にさようならをすることですから、孤立と孤独が来ます。さらに、自分独自でご飯を得るような能力は身についていません。餓死が待っています。

  「怖くて、やはり、自分を生きることに踏み出せない。」、「しかし、犬にはなれない。」、「しかし、怖くて踏み出せない。」、この葛藤で、ぐずぐずと言い続ける人生です。多くの人は、この状態で人生を過ごすことになるのでしょう。

  しかし、この生き方では、慢性的な疲労感と無気力、無感動が進行していきます。


3.自分を生きる(自滅の人生)

  ぐずぐず人生で、懸命に、自分を押さえて生きていても、自滅を避けるだけの人生とは何かという気持ちが出てくれば、やはり続けることはできなくなるでしょう。だからと言って、「自分を生きる」は、確実に自滅の道を行くことになります。

  「犬にはならない、葛藤でぐずぐず言って暮らす人生も嫌だ、私は自分を生きます」と、自分を生きることを選択したとしても、社会から見れば、単に、我がままでしかありません。自分のプライドや自分の我がままを振り回すだけになります。自分を生きるということは、一見、良いように言われていますが、これは、間違っています。自滅、自爆が待っているだけです。


新型ストレスは、どのようにしても、どんなにあがいても、上の3つの生き方のいずれかになり、解決の方法がないのです。新型ストレスが、どれだけ深刻なものか、多くの人を見れば見るほど、深刻さを思い知らされます。

新型ストレスと名づけたのは私ですから、当然のことですが、ほとんどの方は、漠然とは感じているかも知りませんが、はっきりと、その実態とその恐ろしさは知りません。

新型ストレスは、人間が、本能から、自我に目覚めたことにより起こるものです。

貧しい時代は、ご飯が人生の目的ですから、自我は抑えられていました。しかし、豊かな時代になれば、自我は大きく肥大してきます。一方、すべての生産をロボットがしてくれる時代にはまだなっていないので、やはり、社会適応して、ご飯を得なければ生きていけません。

さらに、貧しい時代は、村や家族といった社会共同体のなかで、自分の存在価値を獲得できました。また、神への信仰があれば、神によって自分の存在を確認できました。

しかし、豊かな時代になるとともに、共同体は存在価値を失って崩壊し、神は否定されました。肥大した自我は、自分で、自分の存在価値を獲得し証明しなければならなくなりました。

時代は、資本主義という競争社会です。競争に打ち勝たない限り、自分の存在価値は証明できません。常に勝ち続ける、成功し続けることは不可能なことです。拡大肥大した自我は、自信のない自我になり、傷つきやすく、プライドばかりが肥大します。

西洋文明は、自我の拡大完成を目指します。この文明では、新型ストレスは、解決できないのです。東洋文明では、自我が抑えられ薄弱ですから、新型ストレスを理解することすらできないでしょう。

人類は、どうすることもできないままに、新型ストレスによる疲労感と無気力、無感動に飲み込まれて滅びていこうとしています。

その新型ストレスの根本療法が、生かされてる医学です。


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